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ニュージーランド産ホップの魅力とは？
ニュージーランド産のホップは、その鮮やかでトロピカルな風味が特徴です。まるで太陽が降り注ぐ南国の果実を思わせるような、ジューシーで複雑な香りは、ビールに特別な魅力を与えてくれます。特に「Nelson Sauvin」は、白ワインのような独特の香りを持ち、「Motueka」はライムやモヒートのような爽やかさ、「Riwaka」はパッションフルーツや柑橘系の力強いアロマ、「Wai-iti」はピーチやアプリコットのような甘い香りを運んできます。これらのホップを組み合わせることで、まるでトロピカルカクテルを思わせるような、驚きに満ちた味わいが生まれます。
ホップ
ビールの苦味や香りを生み出すために使われる植物です。特にペールエールやIPAなどのホップを前面に出したビールでは、その個性が味の決め手となります。
自宅で再現！渦巻き工程なしで風味豊かにするテクニック
ビール醸造の世界では、ホップの風味を最大限に引き出すために「ワールプール」という工程がよく用いられます。これは、煮沸が終わった麦汁を渦巻き状にかき混ぜることで、ホップの香りを効率よく抽出する手法です。しかし、ご家庭での醸造では、このワールプールを完璧に行うのが難しい場合もあります。そこでご紹介するのが、特別な器具を使わずに、ご家庭でも簡単にワールプールと同様の効果を得られる裏技です。少量の麦汁を取り分け、適温まで冷ましてから、密閉容器に入れて軽く混ぜるのです。この「ミニ・ワールプール」を本麦汁に戻すことで、繊細なホップの香りを失うことなく、豊かな風味を実現できます。この工夫により、まるでプロが作ったような、奥深い味わいのビールを自宅で楽しむことができるのです。
ワールプール
ビールの煮沸工程後に行われる、麦汁を渦巻き状にかき混ぜる作業のことです。これにより、ホップの香りを効率的に麦汁に移すことができます。
「Annie's Hoppy Daze of Summer Pacific Pale Ale」レシピの紹介
今回は、ニュージーランド産ホップを存分に楽しむための具体的なビールレシピをご紹介します。「Annie's Hoppy Daze of Summer Pacific Pale Ale」は、約19リットル仕込みのペールエールで、アルコール度数は4.6%と、気軽に楽しめる軽やかなビールです。このレシピでは、ライト液体モルトエキスを使い、ホップは煮沸の後半やワールプール、そして発酵後に投入することで、それぞれのホップが持つ個性を最大限に引き出します。特に、発酵後に「Nelson Sauvin」「Motueka」「Riwaka」といったニュージーランド産ホップをドライホップとして追加することで、フレッシュでトロピカルな香りが一層際立ちます。酵母には「US-05」や「BRY-97」といった、ニュートラルな味わいのものを選ぶことで、ホップの風味が主役となるビールに仕上がります。
モルトエキス
麦芽から糖分を抽出して濃縮したもので、ビールの甘みやボディ（コク）の元となります。液体タイプと乾燥タイプがあります。
ドライホップ
ビールの発酵が終わった後や、発酵中にホップを加えることです。これにより、煮沸では失われがちなホップのフレッシュな香りをビールに移すことができます。
「パシフィック・ペールエール」で味わう鮮やかなトロピカル風味
アルコール度数4.8%、苦味34 IBUの「パシフィック・ペールエール」は、まさにニュージーランド産ホップの魅力を堪能できる一杯です。このレシピでは、「Maris Otter」をはじめとする数種類のモルトを使い、ビールに深みと滑らかな口当たりを与えています。ホップには、「Pacific Jade」「Motueka」「HBC472」といった、それぞれ個性豊かなニュージーランド産ホップを、煮沸の初期からホップスタンド（煮沸後の静置時間）まで段階的に投入することで、複雑で奥行きのある風味を生み出しています。さらに、発酵には「LALBREW® VOSS KVEIK ALE YEAST」を使用し、20℃という比較的高い温度で発酵させることで、フルーティーな香りを引き出し、ビール全体の味わいを一層豊かにしています。このビールは、鮮やかなトロピカルフルーツの香りと、心地よい苦味が絶妙に調和した、まさに夏にぴったりの一杯と言えるでしょう。
IBU
International Bitterness Unitsの略で、ビールの苦味の度合いを示す単位です。数値が高いほど苦味が強くなります。
ホップスタンド
ビールの煮沸が終わった後、火から下ろして一定時間静置する工程のことです。この間にホップの香りを麦汁に移すことができます。